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いい顔

いい顔した人に出会った 過去形 その人の周りには またいい顔の人たちがいて わたしは離れたところにいて 見ていてドキドキする 現在形 離れたところから 手が届くくらい近くに行くつもり 未来形

移ろう心 移ろう季節

梅雨の このじめじめ感から 人々は やる気をなくし みな おうちに閉じこもる 無理して出てこなくても あっという間に夏が来るから 今は心もじめじめだけど そのうち 汗を流して フルーツフラッペでも 食べているはず あと少しのしんぼうだ 「夏はビートでゴ…

珈琲便り ある音楽とともに

あまいお菓子の名前をした三人組は ときに丁寧に ときに大胆に それぞれの音を奏で 重なってできたハーモニーは 聴くものの心に 雨をふらせたり 虹をかけたり 瞬く間にみんなを知らない国に連れて行ったりしたのでした ある夜 看板のない地下のような地上の…

想像力

失くして初めて分かる大切さ それは 想像力がないだけのこと

はなし

突然 きえた いのちの はなしと これから生まれる いのちの はなし それはまったく 別のはなし それはそれは ドラマチックで はかなくて たくさんの喜びに満ちていて 同時に おぼれるくらいの 多くのなみだを ともなう はなし だから みんな 聞くことも 話す…

この国の未来を食べてしまったクジラのはなし

この国の未来を食べてしまったクジラと 未来を食べられた国の人たちは ちょっと困って ちょっと笑った そんなことってあるんだね あはは なんて言いながら クジラに食べられたこの国の未来は なかったことにしようかな あはは なんて言いながら 姿を消した …

珈琲屋ルパン

そのむかし。お城のような喫茶店がありました。名前をアルセーヌ・ルパンといいます。 店の前にある樹にはトリコロールの旗がひらめき、まっしろな壁とそれにつたうアイビーが見るものの想像力を膨らませます。木の葉色のレンガでできた階段を上って中に入っ…

うるおい

心がカサカサ渇いてきたから 一日休んで ゆっくり じっくり 自分に お水をあげようと思いました 植木の葉を 一枚 一枚 点検するように 自分を点検します 栄養が必要な部分をリストアップ 栄養は? スウィーツ 音楽 読書 恋 おしゃべり 時には遠くの誰かに手…

かなしみを知らない町

かなしみを知らない町に一人の詩人が現われた 彼の去ったあとには一つのかなしみが残ったという けれど その町の人々には その感情の持つ意味が分からず 以降 かなしみが生まれることもかなったので 今でもその町は かなしみを知らない町と呼ばれている

おひさま おつきさま

まっくらな なかに ある ヒカリ それは とても とおといのだと いった くらやみの なかの じぶんを みつけだす ヒカリ それはとても とおといのだと きょうも おひさま おつきさまが あって なにかを てらす いまは たいようや つきよりも あかるいものが あ…

手紙

手紙 紙に文字を書いて 届けるだけ ココロあたたまる 贈り物 封筒に隠した 密かな想い 突然の 嬉しい知らせ 元気でいるよという しるし 手紙を書こう あの人には どんな便箋? 切手はどんなのにしよう? 風景印という消印があるそうな 手紙を出そう 旅先から…