美しい言葉

「わたしがあとにした世界では、一日が四季のすべてを含んでいたから、その時間はかなり長かったはずなのだ。もとの世界では、氷の屍衣をまとった冬が、夜のなかにまどろんでいた。子供のような笑みを浮かべて、春は夜明けに目を醒ました。午後になると、夏が豪華な美をまとって輝いた。ゆっくりと暮れていく夕暮れとともに、年老いた秋が忍び入り、蒸気のような無気味な夜の最初の息吹を浴びたとたんに、死んでいった。」